メディミールの食事は、管理栄養士だけでなく、看護師、理学療法士、言語聴覚士といった
さまざまな分野のプロフェッショナルが監修し、作られています。
私たちの健康をささえる「食事」について、専門家たちはどのように考えているのでしょうか。
また、それぞれの視点から考える「健康食」とはどのようなものでしょうか。
プロたちによる座談会から、メディミールの美味しさの秘密を探ります。
川口:皆さん、それぞれふだんのお仕事で、「食事って大事だな」と思った経験はありますか?
新井:私はふだん、言語聴覚士として摂食嚥下障害の方、誤嚥や窒息のリスクのある方々と接しています。ですから、食事の重要性は毎日感じていますね。その方の意欲や可能性に合わせてリハビリをやっていますので、患者様の「食事を楽しみたい」という気持ちをいつも大切にしています。
池田:看護の目線だと、私の担当している患者様は誤嚥性肺炎を患っている方が結構多いので、やはり食べる機会がだんだん減っていって、最終的に胃ろうになってしまう、というケースが多いんです。そうすると声も出なくなりますし、衛生的にも唾液を出さないと良くない。そういった意味で、食事をしっかりと続けていくというのはすごくキーポイントなんです。食べる楽しみがなければ、生きる喜びがなくなってしまいます。病院食は見た目も綺麗でなかったり、薄味だったり、食べる意欲が削がれてしまうものが多いこともありますね。色や見た目も大切です。食事はやはり目で見て美味しそうでないと食べる気にならないので、ただの栄養という意味ではなく、食事は奥が深いなと感じますね。
宮本:リハビリの観点から言っても、やっぱり食事はすごく重要です。内臓から吸収した栄養が血液に変わり、それが筋肉の細胞に運ばれていくんです。運動して筋肉をつけるためにはたんぱく質がないといけませんので、食事はしっかり摂らないと。細胞レベルで言えば、いくらリハビリを頑張っても栄養がなければ筋肉も発達しないし、細胞は活性化しないんです。ところが、患者様に「ふだんどんなものを食べていますか?」と聞くと、菓子パンだったり、蕎麦やうどんだったり、炭水化物中心の食生活であることが多いんですよね。
川口:私は患者さんと関わることは少ないんですけれども、皆さんのお話を聞いていて、やはり見た目は大事だなと改めて思いました。色が茶色だけだと食欲が失せてしまいますし、焦げ目がついていないだけで美味しそうに見えず、なんとなく箸がつかない……といったこともあると思うんです。栄養面だけを頑張って調整しても、結局食べていただかなければゼロですから、その方のためにならないんですよね。メディミールでは、「食べたいと感じていただける」ということにも気をつけています。
池田:なるほど。川口さん、私の担当している患者様には、塩分を控えめにしたいという方も多くいるんですが、ふだんの食生活はどうしていただくのが良いと思いますか? やはり自分でだしをとるのが一番良いと聞きますが、なかなか面倒だったりするんですよね。手軽な減塩の方法があれば教えてください!
川口:いまは顆粒のだしでも、無添加のものや減塩のものもあるので、そちらを使用してはどうでしょうか? 後は、酸味で塩分を代替する方法もありますね。レモンやゆずなどをかけるだけで、味気がしっかりするものです。ポン酢はお醤油が含まれているのであまりおすすめしませんが、お酢でしたら大丈夫かなと。マヨネーズも、少しは塩分があるものの、調味としては比較的良いと思います。
新井:メディミールは栄養士さんが監修しているので、そういったノウハウが入っているんですね。僕も嚥下については管理栄養士さんと相談しながら進めていますが、味や見た目といった部分の知識があるとより食べていただきやすくなりますね。
川口:食事というテーマで話しているなかで、「栄養」と「心の栄養」、2つのキーワードが出てきたように思います。食による健康づくりについて、皆さんが現場でアクションして良くなったというようなエピソードがあれば教えていただけますか?
宮本:朝は菓子パン、昼は麺類や納豆ご飯など炭水化物ばかり……といった方のケースでは、食による改善はリアルにわかります。リハビリによって、その場では筋肉は柔らかくなって運動機能が向上するんですが、次にお伺いした時にはまた硬くなっていたり、筋肉の弾力がなくなってしまっていたりすることがあります。皮膚もカサカサになっているんですよね。それで、お味噌汁になるべく野菜を入れていただくとか、お肉や魚もバランスよく摂っていただくようにすると、筋肉の張りも変わってくるし、意欲も変わってくる。栄養って本当に大事なのを痛感した経験ですね。
川口:えっ、リハビリしていて、触れてわかるということですか?
宮本:はい、分かります。糖質は体内で酸化するといわれていますが、糖質ばかり摂っている方というのは、体の筋肉の弾力性が損なわれてカチカチになっているのが分かるんです。筋肉は伸び縮みによって機能するので、硬いと筋肉の働き自体が損なわれてしまうんですよね。同様に、血管にも弾力性がなければ高血圧につながってしまいます。
池田:体をつくる栄養素って、どんなものを摂るべきなんでしょう?
宮本:タンパク質やビタミン、ミネラル……。やっぱり、バランスですよね。特に男性の一人暮らしになると、高齢の方でもコンビニ弁当で済ませてしまっているケースが多くあります。
池田:コンビニ弁当は、ボリュームがすごくありますからね。それに味が濃い。食べたくなる気持ちは分かりますが……。メディミールも、制限食とはいえボリューム感や満足感が大事なんだと思います。塩分やカロリーが少なくても、満足感が得られればまた違うのでしょうね。見た目や色合いも関係すると思います。
川口:やはり「心の栄養」も大事なのですね。機能的に食べられないのでなく「食べたくない」というケースも実際の現場では多いんでしょうか?
新井:脳梗塞後のリハビリにおいて、まず食べ物を認知する段階で食事を拒否してしまう方がいらっしゃいます。そういった場合、いかに栄養を摂っていただくかというのは非常に難しいですね。喉の嚥下障害の方のリハビリで苦労することが多いです。脳梗塞の方は味覚の変化もあったりしますので、かなり試行錯誤します。
池田:高齢の方は、やはり年齢が進むにつれ食が細くなっていきます。もちろん、たくさん食べていただきたい思いはありますが、量が少なくても「どれだけ楽しみながら食事をしてもらえるか」という視点も大事だと思います。食事を「楽しむための時間」と位置づけることが重要なんですよね。
川口:見た目も、ボリュームも大切ですね。メディミールでは、食べたいと感じていただけるようにたんぱく質を取り入れるようにしていますが、レンコンやさつま揚げなどを副菜に入れるなど、お魚ばかり鶏肉ばかりにならないようにバリエーションをつけています。それから、献立を考える時には必ず旬の野菜を調べて、なるべく多く使用するようにしています。逆に、季節外れのものはなるべく使用しません。そういった点で、四季を食事から感じていただければと思っています。
新井:単身の方、特に男性などは忙しくて食生活が不摂生になり脳梗塞にかかってしまうケースが見られます。「自分の健康状態について指摘してくれる存在が周りにいること」ってけっこう重要だと思いますね。もちろん、自分自身が栄養バランスについての意識を持つことが何より重要です。今はテレビでもゴールデンタイムに健康番組をやっていたり、健康意識が高まっていると思います。欲求を抑えるのは大変だと思いますが、まずはお酒一つにしても、ビールばかり飲んでいるとすごく糖質が高いのでハイボールに変えたり、果実のサワーにするだけでもいいですよね。
川口:食べ過ぎてしまった次の日はサラダを摂ったり、ハンバーグを豆腐ハンバーグに変えるだけでずいぶん違います。
宮本:どうしても、美味しいもの、食べたいものだけを食べたい!となってしまうものです。しかし、食べ続けるとリハビリの必要な体になってしまう。そういった方々は皆、「まさか自分がこんな風になると思わなかった」とおっしゃっているんです。栄養バランスについて、頭の隅に置いてもらうだけでも違うのかなと思います。
池田:食べ過ぎてしまった時に、「次の日に調整しよう」と1週間の中で調整していくのがいいかもしれませんね。あとは、血圧でも体重でも、自分の健康な状態がどういう状態かを把握しておくこと。それから、定期的に医療機関を受診すること。異常に気づけることが大事なんです。
川口:皆さん、ありがとうございます。メディミールは栄養士だけでなく、さまざまな専門職の監修があるのでお客様にとってより良い食事づくりができています。これからもよろしくお願いします。